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2007年10月 5日 (金)

稚内の風景③ ~ 大沼白鳥おじさん

稚内空港の近くに大沼という湖、というか池があります。

大沼っていうと函館の近くの大沼が有名ですよね。
あのプリンスグループがリゾート地として開発した場所です。

稚内の大沼はそれと区別して「声門(こえとい)大沼」なんて呼ばれたりするそうなんですが、こちらの大沼、最近は白鳥が飛来する池として有名なんです。
もともと渡り鳥である白鳥の中継地としてここに飛来するようになってから約20年が経つそうなんですが、実はこれ、ある一人のおじさんの涙ぐましい努力によって実現したのです。

Photo

そのおじさんとは、吉田敬直さん、通称「白鳥おじさん」と呼ばれる漁師の方です。
この辺りではかなり有名人らしいです。

今回この大沼を訪問して、吉田さん本人とお会いすることができました。

Photo_2

大沼のほとりにある大沼バードハウスという施設にいらっしゃいます。
とても明るくて気さくなおじさんでした。

まず、平成4年にフジテレビで放映された彼の白鳥を呼ぶ話のVTRを見た後、当時のエピソードから近況に至るまで約30分間話を聞くことができました。

彼の話によると、元来この辺りは渡り鳥の通過地点だったのですが、白鳥が飛来することはなかったそうです。
20年前のある日、息子(当時小学4年生)とこの地に白鳥を呼ぶ約束をしたのがそもそもの始まりでした。

彼がここ大沼に白鳥を呼ぶことを決めたのは、ここ大沼が比較的浅く、小魚などの白鳥の餌になりそうな資源が豊富だという理由からでした。
ところが白鳥の餌は魚ではなく穀類だということがわかり、彼は自費で餌を買い、この地に白鳥を呼ぶため、湖面に張った氷を割り、毎朝大沼に餌をまいて白鳥を呼んだのだそうです。
白鳥の鳴き声を録音したテープを流したりもしたそうです。

しかしなかなか白鳥は降りてきてくれない。
おじさんは最後の手段として発泡スチロールで自作した白鳥のダミーを浮かべました。
(写真のテレビの上に乗っかってるやつ)
すると、ついに16羽の白鳥が大沼に降り立ったのだそうです。
昭和63年4月18日のことでした。

白鳥おじさんの涙ぐましい努力が実った記念すべき日でした。

それから毎年飛来する白鳥の数は増え続け、今では年間5万3千羽もの白鳥がこの大沼にやってくるそうです。

すばらしいエピソードじゃないですか。
息子とのたった一言の約束のためにここまで馬鹿になってやり遂げる。
奥さんも当初かなり呆れてたらしいですが、最後まで見捨てないで見守ってあげられたこともすごいと思います。

ただ、困ったこともあるそうです。
ここまで数が増えることまでは計算していなかったらしく、おかげで今では年間の餌代が730万円もかかるのだそうです。
市の援助も年間500万円程あるそうなんですが、差額は自分でなんとかするしかない。

で、餌代をまかなうためにここで昆布を販売しているんです。
今回僕は「利尻早採り昆布」(1000円)を買いました。
あと、コーヒー(200円)も餌代のためにということでいただきました。

吉田さんったら、なかなか商売上手ですね。

でも、この「早採り昆布」なかなか美味です。
おじさんに食べ方を教わったので、最後に紹介します。

この昆布を4cmくらいの長さにきり、水でもどすこと3分、海苔大の大きさになります。
おむすびをにぎり、海苔を巻く代わりにこの昆布で巻くと昆布おむすびのできあがり。
とっても美味しいそうです。

あと、昆布を細かく切ってお吸い物や味噌汁に。
わかめの代わりとして美味しくいただけます。

というのもこの昆布がとっても柔らかいからこんな食べ方ができるそうですよ。

白鳥おじさん、これからもがんばって白鳥を呼んでくださいね。

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